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2021年11月2日

【第16回】『2021年11月 マーケットレビューと今後の見通し』

<10月のマーケットレビュー>

10月の国内株式市場は前月末比、日経平均株価で▲1.9%、マザーズで▲1.8%、米国株式市場はダウ平均で5.8%、S&P500で6.9%、ナスダックで7.3%と、米国市場が堅調な中、日本株は調整が続いた。

国内は政治の停滞予想と海外景気の鈍化の影響を受け、日経平均株価は9月14日の30,670円から10月6日の27,528円まで約10%の下落となった。
菅首相の総裁選不出馬のニュースにより9月上旬は急速に値を戻したが、後半には中国恒大グループの債務問題の広がりなどの影響によって息切れし、10月前半もその流れを引き継いだ格好。

10月に入ってからは資源価格の高騰や中国国内の規制強化なども背景に外需関連企業の業績鈍化が懸念材料となっており、相場上昇のけん引役が見当たらないまま、海外ファンドによる指数売買の影響を受けた上下動が続いた。
その一方で、指数ベースの割高感が払拭された27,000円台からは買い戻しの動きも見られた。

9月下旬から新型コロナの感染数が急速に減少したことで新型コロナに対する懸念は低下しているが、3月〜8月の小売りの業績動向(回復)が芳しく無かったことから依然として内需の停滞感が頭を抑えている。
米国での11月からのテーパリング開始は既定路線として既に織り込まれているものと見られ、米国株式は断続的に高値を更新した。
並行して9月下旬から円安ドル高への流れとなっており、9月21日の109.22円から10月29日の114.10円まで約4.5%の円安ドル高となった。米国のマクロ経済指標も総じて強さが維持されたことで、引き締め懸念(利回りの上昇)がいつ市場に影響してくるのかのタイミングを注視する必要がある。

米国株式の動向については、先月のレポートで、企業収益の行方と金融引き締めのスピード感が相互に影響する局面に入ってきたと書いたが、エコノミストの事前予想では利上げ時期を2022年夏頃〜23年夏頃と、幅広いコメントが増えてきていることにも注意したい。

<今後のマーケット展望とストラテジー>

前回も指摘したように、第1四半期の日本企業のファンダメンタルズは想定以上に改善し、第2四半期(中間期)にも期待したいところだが、依然として消費は低迷しており、株価に与える影響は、下期以降の国内景気と、選挙後の政策動向(構造改革など)が重要と捉えている。
先月指摘した政治の安定性については今回の総選挙でひとまずの安心感が得られたし、筆者としては民度の高さも示されたと安堵している。
つまり、1)バラマキばかりで現実味の無い政策提言は評価されず、2)与党に対しては「臭い物に蓋」的な開示の悪さを国民は否定した。概ね好感の持てる選挙結果であったと捉えており、現時点では朗報ではないだろうか。
与党(特に自民党)による安定多数の結果を受けて本日(11月1日)の日経平均株価は754円高となった。

現状はワクチン接種の進展と感染率の低下が進むことで景気回復への兆しが見えてくる一方、資源価格の高騰や米中の摩擦度合いにより減速感が出ている。欧米や中国の景気回復には注意しなければならない。海外市場との比較では、僅かに浮上している程度の景気回復では依然として外国人投資家を惹きつける水準への株価上昇は見込めない。

現在懸念されるリスク要因としては先月と同様に、?想定以上に強い米国経済指標が出ることで引き締めが早まること、?選挙後における国内政局の安定性、?中国政府によるIT企業規制強化及び不動産市場への対応、?新型コロナ感染者数の増減と政府の対応、などが考えられる。

<投資戦略>

企業収益の増加基調は継続していると思われるが資源高の影響により楽観的な予想は減ってきている。現在の水準からの大幅な下落リスクは限定的と考えているが、これから本格化する(3月期決算企業の)中間予想においては、今年度の保守的な企業予想に敏感に反応する懸念があることに注意が必要。
向こう3ヶ月間の想定株価を日経平均で28,500円〜30,500円と、前月の想定より上値を500円ほど引き上げる。

依然として、海外ファンドによる空売りや指数売買、セクターアロケーション等によって上下する市場環境下では落ち着いた投資をしづらいが、当社の考える投資戦略はこれまでと同様に、良好な決算期待銘柄(外需依存型、新生活様式)、及び長いテーマとなる環境関連やEV、デジタルトランスフォーメーションといった中で中核的な銘柄を選別するのが良いと考えている。

そんな中で、急速な円安となっていることには注意が必要であろう。国内からの輸出が多い外需企業や、半導体の生産増に伴う資材価格・数量増の恩恵を受ける素材・製造業や部品商社等には追い風であるものの、アジア圏の新型コロナ禍からの回復を視野に入れつつも、資源高の悪影響がこれから織り込まれてくると考えられる。

当社が出している参考ポートフォリオ銘柄を含め、デジタル化における各業種での一番手銘柄や半導体関連銘柄、東南アジアでの新型コロナ感染の鎮静化に伴う電機・自動車生産の回復などに注目すべきであることは先月と同様であるが、新政権による構造改革への期待の行方にも注意したい。

新たな政策が出てくれば、今年春から弱含んでいた新興企業にも再評価の機運が高まるが、進展が見込めなければ(構造改革への停滞が続くなど)相場全体の上値は重くなるであろう。特に年末にかけては機関投資家の動きは鈍り、個人投資家には決算対策での損切りや入れ替えなどの動きが出てくる。
また、グローバルな視点からは、日本市場は依然として成長力の低い市場であるとの認識を忘れてはいけない。

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