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2020年03月13日

第10回『株式市場レポート』

<3月の株式市場見通し>

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いており、世界保健機関(WHO)は2月28日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、世界全体の危険度を4段階で上から2番目の「高い」から、最高レベルの「非常に高い」に引き上げ、各国にさらなる対策を呼びかける事態となっています。

内閣府が2月17日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は消費増税の導入や大型台風等の影響もあり、物価変動の影響を除く実質で前期比▲1.6%、年率換算では▲6.3%と5四半期ぶりに大幅なマイナス成長に転じました。

1~3月期GDPが前期比マイナスとなると、2019年10~12月期に続けて2四半期連続のマイナスとなり、即ち7月からの東京オリンピック・パラリンピック競技大会を前に日本経済はリセッション入りするということになります。

仮に東京オリンピック・パラリンピックが中止となれば、その経済的損失も大きなものとなります。東京オリンピック・パラリンピックの経済効果については、東京都の発表で「32兆円」という数字が発表されています。このうち、交通インフラの整備やバリアフリー促進といった間接的な経済活動、いわゆる「レガシー(遺産)」効果を除いた施設整備費や大会運営費、放映料等の「直接的効果」は約5兆2,000億円とされており、少なくともこの直接的効果分は経済的損失となる可能性があります。

生産活動においても大きな打撃を受けることとなります。米中貿易戦争の影響で世界的に生産活動が低迷していたところに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による消費の落ち込みが加わり、さらに生産が縮小する可能性が出てきています。

世界各国は中国とグローバルなサプライチェーンを通じて密接に繋がっている中、中国では企業の稼働率が大幅に下がっており、中国で生産されていた様々な製品や部品等の供給が滞ることにより、その影響が世界中に波及しつつあります。
収束が長期化した場合には世界経済全体では非常に大きな生産減や企業業績の低下をもたらす可能性があります。

国内主要上場企業の2020年3月期通期では経常利益で2011年度以来8期ぶりの減益となる見込みで、また2020年度についても当初の増収、増益の見通しが下方修正され、新型コロナウイルスの影響が長引いた場合には減収、減益に陥る可能性もあります。

2002年11月に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)のケースでは、WHO(世界保健機関)が収束を宣言したのは2003年の7月であり、期間としては半年以上続きました。今回の新型コロナウイルスは、感染者数、死者数ともにすでにSARSの規模を上回っていますので、場合によっては収束までさらに長い時間が必要となる可能性もあります。

SARSのケースでは、発生直後から世界的に株価は大きく売り込まれましたが、終息後は大幅に反発・上昇に転じました。
今回の新型コロナウイルスの場合は、世界的に景気がピークアウトしつつあるタイミングで発生したことや、米国株が過去最高値圏、かつPER等のバリュエーションも割高水準となっていた局面で発生したこと、さらに今回の感染規模がSARSを上回っており経済への打撃もより大規模なものになると見込まれることから、終息まで長期化した場合には、その後の景気・企業業績の回復と株式市場の反発・上昇についてはより限定的なものとなる可能性もあります。

各国金融市場における重要な要因のうち、注視すべき項目として、①米中貿易摩擦、②米国の金融政策、③各国の景気、及び企業業績、④英国のEU離脱問題と行方、⑤トランプ米大統領を巡る疑惑、及び⑥地政学的リスク、⑦新型コロナウイルスの感染拡大の7つの要因が挙げられますが、足元は⑦の新型コロナウイルスの感染拡大が最大の波乱要因となっており、引き続き注視していく必要があります。

当面の投資戦略としては、新型コロナウイルスの感染拡大の状況とそれが経済・企業業績に与える影響を最大限に注視していく必要があります。根拠の無いデマ等に振り回されてはなりませんが、既に来期(2020年度)の企業業績予想が織り込まれる時期に入っておりますので、日本企業の慎重な業績予想にも注意しつつ、従前の予想より控えめな数字が織り込まれることを踏まえた対応が求められます。

米国株式については今回の下落により楽観的な上昇分は剥落し、金利動向や企業実勢を読み込む時期に入っています。

国内株式につきましては現時点での業績予想を踏まえれば、来期BPS(1株当たり純資産)は少なくとも21,000円台前半の数値となりますし、騰落レシオなどからも既に現時点の株価は割安と捉えられますが、リバウンドを含め、当面はボラティリティーの高い展開が予想されます。
依然として不透明要因が大きい環境下では買いについては引き続き冷静かつ慎重なスタンスが求められるものと考えておりますが、米国株式市場が第二四半期(4~6月)を読みに行く3月中旬以降のリスク環境への評価が今後の投資については特に重要であると考えています。

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